メニュー

予防接種・ワクチン

当院では、各種予防接種を行っています。来院時、または電話での事前予約をお願いします。

定期接種

任意接種

 

おたふくかぜ(ムンプス)ワクチンについて

日本では、おたふくかぜ(ムンプス)ワクチンの接種率が低く、4,5年間隔の流行を繰り返しています。罹患すると発熱、耳下腺や顎下腺(耳の下・あごの下にある唾液を作る腺)の腫れなどが起こります。おたふくかぜは、軽い病気とみなされることが多いですが、髄膜炎(脳表面の炎症、1~10%の頻度)や精巣炎・卵巣炎、難聴(ムンプス難聴)などを起こすことがあります。このうち、難聴はほとんどが重症で有効な治療法もなく、片側の耳が全く聞こえなくなってしまうことがあります(ムンプス難聴の5~10%は両方に起こると言われており、その場合は両方の聴力が失われてしまうことがあります)。難聴の発生頻度は、おたふくかぜの数千~数万件に1件程度と言われていましたが、近年では数百分の1程度に起こるという報告もあり、決してまれな合併症ではありません。おたふくかぜの流行時には、年間700~2000人程度の難聴者が発生していると推測されます。ムンプス難聴は、幼児・学童に多く、さらに30~40代の子育て世代にも多く発生しています。先進国でおたふくかぜの定期接種を行っていないのは日本のみであり、ワクチンで是非予防したい疾患の一つです。

接種回数 

1回接種と2回接種の効果を比較すると、2回接種の方が高い効果が示されており、おたふくかぜワクチンを接種している世界の国々の90%以上が2回接種をしています。おたふくかぜを含むワクチンを1回定期接種している国では、おたふくかぜの発症者数は88%減少し、ワクチンを2回定期接種している国では99%の発症者数減少が報告されています。WHO(世界保健機関)や日本小児科学会は2回接種を奨励しています。

接種時期

1回目:1歳 

2回目:小学校入学前の1年間

この時期を過ぎているお子さん、または成人の方は、1か月あけての2回接種が推奨されます。ワクチン接種を1回受けており、小学校入学後も2回目のワクチン接種を受けていないお子さんは、できるだけ早めに接種を受けることをお勧めします。

接種費用 

5,000円/ 回(税込み) 

下記助成の対象者は、自己負担はありません(助成は1回のみ)。

日光市からの助成制度

日光市では、令和2年4月からおたふくかぜワクチン費用の助成が始まりました。1才から年長児までのお子さんには、5,000円の助成があります。1回のみの助成であり、2回目の接種時に助成はありません。また、おたふくかぜにかかったことがあるお子さんは助成の対象となりません。

 

帯状疱疹ワクチンについて

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水痘(みずぼうそう)にかかった後に体の中にひそんでいた水痘帯状疱疹ウイルスが、年齢が高くなって免疫力が下がった時などに体の中で再び増えて発症する病気です。50才を過ぎると帯状疱疹を発症する可能性が高まり、80才までに約1/3の方が発症すると言われています。小児に対する水痘ワクチンが2014年に定期接種化されたことにより、小児の水痘患者が減少しており、周囲の大人が水痘帯状疱疹ウイルスに接する機会が減少しています。そのため、ウイルスに対する免疫増加が得にくくなっており、近年帯状疱疹の発症率が増加しています。体のどこにでも発症する可能性があり、耳におこるラムゼイ・ハント症候群では、顔面神経麻痺(顔を動かす神経が麻痺する)やめまい・難聴などを起こすことがあります。また、皮膚病変が治癒した後に長い間痛みが続いてしまう帯状疱疹後神経痛に悩まされる方が一定数います。この帯状疱疹を予防するために接種可能なワクチンが現在2種類あります。

① 水痘生ワクチン 

費用:7,500円(税込み)×1回

2016年からみずぼうそうのワクチンが、帯状疱疹予防として接種可能となりました。

対象年齢は50才以上です。同種類のワクチンでの研究結果では、60才以上で50%程度の発症頻度減少と65%程度の帯状疱疹後神経痛の減少が報告されています。接種時の年齢が高くなると予防効果は低くなると報告されており、60代では64%の予防効果がありますが、70代では41%、80才以上では18%と低くなります。生ワクチンのため、免疫機能に異常のある疾患(リンパ腫やがんなど)を有する方や免疫抑制をきたす治療(副腎皮質ステロイド剤や抗リウマチ薬など)を受けている方は、接種を受けることはできません。

接種後4~7年経過時で発症阻止効果が39%、接種後7~11年で発症阻止効果が21%と経時的に効果が減弱します。再接種の目安は、接種後5年です。

 

② 帯状疱疹サブユニットワクチン(シングリックス®) 

費用:21,000円(税込み)×2回:計42,000円

帯状疱疹予防のために開発されたワクチンで2020年1月から接種可能になりました。

対象年齢は50才以上です。2か月間隔で2回接種します。

50才以上での発症阻止効果は97%以上と高く、70才以上の年齢に限っても91%の有効率と88%の帯状疱疹後神経痛の減少が報告されています。現時点で再接種の時期は明らかになってはいませんが、ワクチン接種後10年を経過しても高い抗体価が維持されており、接種後8年の時点で84%、接種後10年の時点で73%の有効性が確認されています。なお、2023年6月に接種対象者の拡大があり、帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18才以上の方もシングリックスの接種対象者となりました。

 

帯状疱疹サブユニットワクチン(シングリックス®)は、上記のように高いワクチン有効率が報告されており、アメリカのACIP(予防接種の実施に関する諮問委員会)は、水痘生ワクチンよりも帯状疱疹サブユニットワクチンを推奨しています。ワクチン接種費用は、水痘生ワクチンよりも高額となります。日光市では、帯状疱疹ワクチンに対する助成制度はありません。

 

子宮頸がん予防(HPV:ヒトパピローマウイルス)ワクチンについて

現在日本では、年間約1万人の女性が子宮頸がんに罹り、年間約2,900人の女性が子宮頸がんによって死亡しています。子宮頸がんの原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)であり、生涯に80%以上の方が感染するごくありふれたウイルスです。その他、陰茎がんや膣がん、肛門がん、尖圭コンジローマもHPV感染が原因となる疾患です。また、中咽頭がん(のどのへんとうせん付近にできるがん)の約50%はHPVが原因です。中咽頭がんは、日本で1年間に約5,500人が診断され、女性よりも男性に起こりやすく、男性の中咽頭がんは女性の5倍多くなっています。

HPVワクチンは、HPVの感染を防ぐワクチンで、110以上の国と地域で公費助成されています。海外の研究では、4価のHPVワクチンを17歳未満で接種した場合に浸潤性子宮頸がんの発症リスクは88%低下し、17~30歳で接種した場合には53%低下したと報告されています。現在、日本で接種可能なHPVワクチンは3種類あります。

 

①2価HPVワクチン(サーバリックス®)

女性の子宮頸がんや男女の肛門がん、中咽頭がんの主要な原因ウイルスであるHPV16型・18型に対するワクチンです。

接種回数:計3回 初回・初回接種から1か月後・初回接種から6か月後

     過去にHPVワクチンを1回または2回接種した方は、残りの回数

適応:HPV16型および18型感染に起因する子宮頸がんおよびその前駆病変の予防

 

【接種対象者と接種料金】

女性

・小学6年生から高校1年生相当の方:定期接種対象で自己負担はありません。

・1997年度~2006年度生まれ:キャッチアップ接種の対象者で自己負担はありません(無料接種の対象年度は2022年度からの3年間です)。

・上記以外の9歳以上の女性:全額自己負担となり、17,000円/回です。

男性

・適応ありません。

 

②4価HPVワクチン(ガーダシル®)

女性の子宮頸がんや男女の肛門がん、中咽頭がんの主要な原因ウイルスであるHPV16型・18型に加えて、尖圭コンジローマという陰部にできるいぼの原因ウイルスであるHPV6型・11型の計4型に対するワクチンです。ガーダシルに含まれる4つのHPV型により、子宮頸がんの原因となるHPV型の65%、肛門がんの原因となるHPV型の87%、尖圭コンジローマの原因となるHPV型の95%をカバーします。任意接種となりますが、男性への接種適応もあり、肛門がん、尖圭コンジローマの予防になります。またHPV関連中咽頭がんの88%はHPV16型が原因であり、ワクチンによる中咽頭がん予防も期待できます。海外では、男性への定期接種が広まっています。

 

接種回数:計3回 初回・初回接種から2か月後・初回接種から6か月後

     過去にHPVワクチンを1回または2回接種した方は、残りの回数

効能・効果:子宮頸がん、外陰・膣上皮内腫瘍、肛門がん、尖圭コンジローマの予防

 

【接種対象者と接種料金】

女性

・小学6年生から高校1年生相当の方:定期接種対象で自己負担はありません。

・1997年度~2006年度生まれ:キャッチアップ接種の対象者で自己負担はありません。無料接種の対象年度は2022年度からの3年間です。

・上記以外の9歳以上の女性:全額自己負担となり、17,000円/回です。

男性

・9才以上:任意接種のため全額自己負担となり、17,000円/回です。

 

③9価HPVワクチン(シルガード®)

9つのHPV型に対するワクチンです。4価HPVワクチンに含まれる6,11,16,18型に加えて、31,33,45,52,58型が含まれることで、子宮頸がんの原因となるHPV型の88%をカバーします。日本では定期接種の対象ワクチンではありませんでしたが、2023年4月1日から9価HPVワクチンが定期接種化されました。

 

接種回数:計3回 初回・初回接種から2か月後・初回接種から6か月後

     なお9才以上15才未満の女性は計2回の接種(初回・初回から6~12か月後)が選択可能です

効能・効果:子宮頸がん、外陰・膣上皮内腫瘍、尖圭コンジローマの予防

 

【接種対象者と接種料金】

女性

・小学6年生から高校1年生相当の方:定期接種対象で自己負担はありません。

・1997年度~2006年度生まれ:キャッチアップ接種の対象者で自己負担はありません(無料接種の対象年度は2022年度からの3年間です)。

・上記以外の9歳以上の女性:全額自己負担になります。費用は、電話でお問い合わせください。

男性

・適応ありません。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME